ケースと対応

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金銭管理が難しい、アルコール依存症で支援施設に通う女性

プロフィール/生育歴

父もよく飲む人で、暴れた時に暴力を振るわれた記憶がある。アルコール依存症で、他施設で支援を受けていたが、無銭飲食や窃盗などのトラブルが多いため、現在の支援施設で通所支援を受けている。

両親は他界し、妹はいるが疎遠。

現在は50代、独身。様々な職業を転々としていた。現在は生活保護を受給している。精神障害者手帳2級。統合失調症、アルコール依存症、糖尿病の診断あり。

ケース紹介

通所当初は、再飲酒や無銭飲食などの犯罪を繰り返すことがあった。現在は3年の断酒の継続ができている。

施設のルールを理解するのが難しく、独自のルールを作り、仲間とトラブルになることがある。周りに気配りができて、いろんなことに対応してくれるが、判断に不十分な点がある。気分の高揚と共に、多動傾向が見られる。自己評価が高く、指摘されると落ち込みやすい。話し始めると、長時間、自身の話を続けてしまう。話題や質問と答えなどが噛み合わないことがある。

週に1度、使用できる金額を渡す。すぐに使い切り、次のお金を要求する。飲食に使うことが多い。

月に一度、精神科へ受診している。担当者が同行している。

 

支援と対応

  • 相談できる関係性を構築する必要がある。担当スタッフとのコミュニケーションを考える。自身のできることをアピールするしか、自己の存在を示す方法を知らないのではないか。弱みを見せる訓練。助けてもらえる経験と関係性が必要ではないか。
  • 生育歴から、AC(アダルトチルドレン)であることや、PTSD等の既往から現在の症状や人との関係性の特徴が現れているのではないか。
  • 病院を変えて、診断や服薬の調整を行うことも重要ではないか。医師との連携を図るためにも、看護師などの医療的側面からの情報提供を医師にすることも、効果的かもしれない。
  • 生活支援として、グループホームや住居を伴った支援施設での共同生活で、生活スタイルを見直す機会を作る。

このケースに関連するキーワード

  • ※連携した社会資源がこのとおりの対応ができるとはかぎりません