ケースと対応

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ODからアルコール依存に移行した20代前半の女性

プロフィール/生育歴

睡眠障害から、精神科処方薬の過剰摂取(OD:オーバードーズ)を高校生の時に始めた。処方薬を止められ、高校中退後から、アルコールを飲むようになった。

中学生時に両親が離婚。母親とは同居し、父とは別居。月に数回、父とは会う。その際、処方薬を父から渡されていた。母がその事実を把握後、父と会うことを止められている。

ケース紹介

中学生の頃から、両親が不仲で離婚。その前後から不眠で精神科の処方を受ける。精神科へは父親が代理受診。高校入学後、不登校気味となり、ODを断続的に行なっていた。訪問看護を週に1度、服薬支援の目的で導入した。高校中退前後、父が本人の指定する一般薬やアルコールを渡していたことが発覚する。訪問時に、看護師が父の対応を指摘し、本人との関係悪化となり訪問終了となった。その後、ODの問題もあり、処方薬が中止となり、アルコールの摂取が増加する。20代前後には、朝から飲酒する様子が見られる。作業所や生活支援施設の通所を提案するも、継続されない。アルコール摂取量も、焼酎1パックを1日から2日かけて飲むこともでてきた。

入院を勧められるも、自由のきかない生活となるため直前で拒否した経緯もある。母親は、塾講師で夜間に仕事をすることが多い。万引きなどの犯罪を恐れ、お金を渡すこともあり、それでアルコールを購入している。

 

支援と対応

 

  • 飲酒量が、致死量に近くなっている可能性もあり、入院適応も考慮する必要がある。
  • 母親や父親へ疾患理解を促す。
  • 本人に対し、問題を起こさない、犯罪者にならないためという世間体を気にした対応となっており、真に対象者の命や健康を守る手立てを考えるに至るよう、支援者と両親の関係性を形成する。
  • 理解のある周りから利用介入の必要性をアプローチしていく。
  • 代理受診している父親にも理解してもらい、医療介入のきっかけを作る。本人の周りにある支援をつなぎとめる必要がある

このケースに関連するキーワード

  • ※連携した社会資源がこのとおりの対応ができるとはかぎりません